一伸建設 サイト管理者ブログ


サイト管理人が不定期に、現場の写真や工事施工例などを載せています。
ときどき業界団体や発注者さんに毒も吐いておりますがご容赦ください。

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2011.08.12 Friday

行政の裁量権について思うこと。。。

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    最近、「行政の裁量権」について考えさせられることが多々あります。

    僕自身がいま現在、
    奈良県土木部さんが改正を行おうとしている
    奈良県土木部建設工事発注基準や
    格付け基準の決定に対して大きな不満を持っている。
    というのもそのひとつかもしれませんが、

    僕の周りをふと見回してみても、
    知人の身内が県南部で行政に対して訴訟を起こして
    おられるそうですし、
    会社が有る御所市では、
    幼稚園の移転に絡んで保護者から移転差し止めを求める訴訟が
    おきました。
    いまは、し尿処理センターに対する金銭問題で
    監査請求が起こされています。

    僕が住んでいる葛城市でも
    新クリーンセンターの建設に絡んで地元の方々が葛城市に対し
    「操業停止を求める訴訟」を起こされています。
    奈良新聞さん記事抜粋

    ちなみにこのクリーンセンターの立て替え工事については。。。

    住民の方々からの提訴が行われましたが、
    8月12日に予定通り工事用進入路工事の入札が執り行われ、
    設計金額3970万円の工事が3770万円で落札されました
    (落札率94.9%)

    これは反対住民の方々に対して
    火に油を注ぐような気がしますから、、、

    「なにもいま入札執行せんでもええのになぁ。。。。」
    と思ってしまいますが、、、
    葛城市さんの側に立て替えを中止する意思がない以上は、
    工期等の都合もあり、
    今後も入札等は予定通り執行されていくのでしょうねぇ。


    「行政の裁量権」。
    行政が行おうとしているなにかしらに不満や異議を
    もっている人にとっては最強にして最大の難関です(涙)。


    が、しかしです。。。


    確かに行政には「裁量権」はありますが。
    その権力は絶大ですが。


    でも、実際にはこうやって行政に対する訴訟もよく起きます。
    それはなぜか??

    それは行政の「裁量権」がけっして特権的なものでは
    ないからでしょう。
    特権的ではなくなってきているからでしょう。

    行政の「裁量権」は絶大。
    しかし、それゆえに「裁量権」を行使する行政には
    大きな責務も科せられています。

    それは民法の大原則で、
    民法第1条(基本原則)にうたわれています。

    1  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
     権利の行使及び義務の履行は、
       信義に従い誠実に行わなければならない。
     権利の濫用は、これを許さない。

    と。

    これは「信義則の原則」とも呼ばれ、
    「社会共同生活において、権利の行使や義務の履行は、
    互いに相手の信頼や期待を裏切らないように誠実に行わなければ
    ならないとする法理。」だそうです。

    つまり憲法上、お役所が裁量権を行使する際には
    まずお役所の手によりこの大原則
    「社会共同生活において、権利の行使や義務の履行は、
    互いに相手の信頼や期待を裏切らないように誠実に
    行わなければならない。」
    これが実施されていなければならないのだそうです。

    でも、実際には、これが実施されていない例が少なくない。
    それが、最近は行政訴訟が増えている理由だそうです。

    確かに、
    実施されていない場合が多いように思いますね。。。

    また、この大原則を除いても、
    行政が「裁量権」を行使し下した決定の内容のそれぞれに
    違法性を見つけることが出来れば、
    訴訟を起こし、その違法性を積み上げていくことで
    行政が「裁量権」に基づき行った決定を
    取り消してゆくことは出来ます。

    日本はすでに訴訟社会です。。。
    最近は、かかりつけのお医師さん、ならぬ
    かかりつけの弁護士さんを持っている市民の方々もおられます。

    「裁量権」は特権ではない。
    お役所の方々もそういう意識改革をなされないと、
    今後、地方の行政はもっともっと混乱してゆくのではないでしょうか?

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